他人を利用する、ということについて(今日のハルカ 第6.5回)

昨日書いたばかりのハルカのお父さん。 本日の放送では、娘の理想化とそれを利用したかりそめのいい気分からの解放and現実直視(自己嫌悪)、いわゆるワーキング・スルー(徹底操作)を体験し、俄然、おどおどした演出のなくなった、素の、身の丈にあった自…

今日のハルカ 第六回 (お父さん 受難(というか自業自得)

離婚した元妻がどうやら再婚するらしいということを知ったお父さん。相手の人はいい人だしやっぱり自分なんかと離婚してよかったよかった、なんて言ってる父にハルカは怒ります。 「ほんとにそれでよかったって思ってるん?悔しくはないん?」 それに対して…

猫 恥 村主 美姫 太一

・『子猫をお願い』。わたしのまわりでなんか評判よかったので、近所のツタヤ半額を機に借りてみました(ツタヤ、普段、高ぇーよなあ)。いいです。またも泣きそうです。これお勧め。なんども書いてる気ぃしますが、女の子友情もの、弱いです。「バウンス ko…

腐臭

(Zガンダム第六話から) 地球生まれのエリート軍人、いわば「キャリア」扱いの“ティターンズ”に所属するジェリド・メサ中尉を、たいした実力もないくせにちやほやされる甘ちゃん、とミーティングにおいてさんざんコケにするライラ・ミラ・ライラ大尉。ミー…

今日のハルカ 第五回(恋愛篇)

こういうこと書くのはあまりに無粋で朴念仁な振る舞いにも思えたのだけど、わたしのコアな部分がそれを書けと言うので書きます。たぶん、相当長くなるはず。でも、これまでで一番読んでもらいたいって気もする。 前回、ちらりとお話ししましたがハルカは現在…

今日のハルカ 第四回

正確には昨日のハルカ。 先々週の妹アスカとの電話での会話や、湯布院の父親に生き方のモデル(自我理想?)を見るいとこや、自分の中の母役部分がどうしようもなく出てきてしまうハルカのダメンズぶりとか、興味深いところたくさんあったんですが、私自身の…

チェルフィッチュ「目的地」

はじめます。友達の出てる、出てるというか主催している、主催っていうのともまた違うかもしれないんですけど、出てる、トークイベントのゲストに出た岡田さんという人が演出している、チェルフィッチュという、劇団?、じゃなくて、ソロ・ユニット?、とい…

今日のハルカ 第三回

相変わらず密度濃く、始まって三週間の間にこんなに詰め込んでしまってあと五ヶ月以上持つのかという心配も出てきた私fkjがmixiからお送りします「今日のハルカ」第三回。 今日は、昨日放送分の最後で父親に言いかけた「この町を出る」という決断を伝えよう…

今日のハルカ 第二回

ちょいときっかけがあって、これまで折々買いためてきた心理療法やカウンセリングの技法等といったことが書かれた本をあちらこちらと読みつつ、何かがまとまっていきそうな気がしていたのだけど、いつものごとく風呂敷を広げ過ぎて混沌の度は増しております…

今日のハルカ 第一回

一昨日分日記を第0回として、この朝ドラ感想、連載になるかもしれません。本日放送分でもいろいろと思うところがあってあんまり面白かったものですから。 昨日、第二週金曜(五日目)放送分から、それまでの子供時代から十年ほど下って、ハルカは短大二年生…

ドラマ『女王の教室』

昨日書いてる途中に思いついたこと。 今年、7〜9月期ドラマでたいへん話題になった「女王の教室」なんですが、ムカムカしながら、実は全部見てしまいました。これが、もう、超ド級の欺瞞ドラマ。ド級(DQN)すぎて目が離せませんでしたよ。 「この物語は、…

朝ドラ『風のハルカ』

震災クラスの壊滅的失敗作「天花」以降、「わかば」「ファイト」とパッとしなかった朝ドラ。今期はどうやら期待できそうです。 朝ドラにしては珍しく、「満月の夜、山奥の湖に現れる金色の龍」なんて怪力乱心を出してきたり、子役の姉妹のケンカがかなり細や…

時間--混沌から秩序への運動

これといって更新する予定はなかったのだけど、甲野先生のページを見ていたら、以前書いた http://d.hatena.ne.jp/fkj/20050802あたりの「前後ありといへども、前後際断せり」そのままな話としか思えないたとえが出ていて感動したのでちょいと触れておきます…

瀧口範子『行動主義 レム・コールハース ドキュメント』

他でも書いたことがあるんですが、私はDVDのソフトというものを今年の春頃、生まれて初めてお金を出して買うという経験を持ちまして、それは何だったかと申しますと、一つは及川奈・・・嘘です、一つは冨永昌敬監督の『亀虫』、もう一つが『LANDSCAPE OF ARC…

巣鴨図書館

朝から雨。いったん上がった後、昼ごろ再び強く振る。ちょうどその頃、巣鴨の図書館にいて、(あ、ひっでーめまい・・)、と思ったら地震。午後、一、二時間ほど日が出るもここ二、三週なかった涼しさ。夕、久々に走ったときもそれほど汗をかかなかった。ブ…

フィル・ソロモン『フロイトと作られた記憶』

岩波のポストモダン・ブックスの一冊。ブログなどで見かけようものならすぐさま読む気が失せてしまうくらい薄っぺらな言葉、「ポストモダン」。(そう括られがちな人たちの書くことが薄っぺらというわけではなくて、そんな言葉を出すことで何か言えそうな気…

御巣鷹 沖縄

30過ぎて涙もろくなったとはいえ、先日の引退記念佐々木vs清原なんてものには、甲子園時代から見ていた選手たち(清原なんか西武入団後五年くらい大ファンだった)が、なんか派手に泣いてるの見て、かー・・茶番〜、としか思えないような質の人間なんですが…

さまざまな戦略

夕方、いつも行ってるとことは違うちょっと離れた銭湯に行く。ここ数日よりいくらか涼しい。 そういえば、昼ごろ板橋は大山で雨に降られてまいったのだけど、東武東上線の駅にしてわずか三駅、六分ほど電車に乗って池袋につくとまったく雨の気配無し。 寒気…

fkjの百冊

新潮文庫の百冊、にならったのか本屋のリブロでも似た企画をやってたので自分だとどうなるか、とあげてみました。諸々、再読したくなってきたけど、山ほど手付かずのものが・・・。気持ち悪くなってきた 井伏鱒二「集金旅行」新潮文庫 志賀直哉「暗夜行路」…

井筒俊彦『創造不断』(「コスモスとアンチコスモス」所収)

つい先日、毎年恒例の八社共同書物復権で出ていた井筒の『コスモスとアンチコスモス』を立ち読んでいたら、道元の時間論について書いてあるこの論文に目がとまり、どうしても読みたくなったけど、4000円越えのその値段に、ちょっと買うのを躊躇して、図書館…

『身体の言い分』内田樹・池上六朗(毎日新聞社)

昨日、我が師匠内田先生のブログにこの本の宣伝が貼り付けられていたのを発見し、自分としては異例の速さで買いに走った。好きな人の新刊でも、たいていは一月以上は買わずにおき、立ち読みとかしつつ段々と買いたくなる気分を高めてから買う、というパター…

年年歳歳

集まる人は減ってゆく。 集まった人は歳を取る。 東十条の寺に行って線香を上げ、居酒屋で騒いで、地元の人間の部屋に襲い掛かり、気付いたら、皆オネム。 午前四時に勝手にフェードアウトし、十条、板橋、池袋、と、たったふた駅程度の距離なら歩いてしまえ…

やべかった

ゆれ始めの縦振動がかなりやばい感じ、ありましたねえ。 本の山三つ倒壊。 風呂上りでパンツ一丁だったので、ちょっとこのまま家の下敷きになるのはいやだ、とあせった。 これから十五年前に亡くなった友人のための年一の飲み会。

民主主義と移動の自由について

今、まさにほんの3、4分前に全然関係のない下らないこと考えているついでに突如思いついたのでメモがわりに書いておきますが、以前、ここら http://d.hatena.ne.jp/fkj/20041212あたりで取り上げた本にあったように、「民」なるものが力を持つとしたら、な…

大いなるもの

http://d.hatena.ne.jp/fkj/20050619 http://d.hatena.ne.jp/fkj/20050620(『不確かさの中を』P138) (編集部)私は、自分が何かに深く守られている、と感じることがあるんですが、それは? (神田橋)それは大いなるものですね。 (編集部)これまで生き…

メモ(カントへの旅)

たいへん素敵でたいへん感動した哲学関連の小話を読んだのだけど、どこでそれを目にしたのかすっかり忘れてしまい、今ようやく発見 紛失しないようにメモしとく。 (ノルベルト・ヴァイス著『カントへの旅――その哲学とケーニヒスベルクの現在』同学社にある…

新潟行

「武術探求」はじめとする甲野善紀先生経由で知った、中国武術“韓氏意拳”の正統な後継者、光岡英稔先生の意拳講習会に参加するため新潟に赴く。 土曜の夜中出発の高速バスを利用したのだが、これが思いのほか過酷。仕事で何度か利用した甲府コースなどにはそ…

『不確かさの中を』②(昨日の続き)

この本の最後の部分には同じく精神科医の中井久夫先生について話題が及んでいて、中井ファンの私としてはその部分だけは書店に並んだときに立ち読みし、その異能ぶりにあきれかったのでした。そこ、ほぼ全文になっちまいますが、まあ、そのエピソードの数々…

『不確かさの中を 〜私の心理療法を求めて』神田橋條治・滝口俊子

精神科医神田橋條治と臨床心理士滝口俊子による対談本。神田橋先生については以前 http://d.hatena.ne.jp/fkj/20041108書いたように、偉人という意味のえらいではない、えらい人、と思っていたけど、それどころじゃないですよ。まーあ、たいへんな人だ。 あ…

パトリシア・ハイスミス『目には見えない何か』

未発表短編を含む初期作品集『回転する世界の静止点』を、今年はじめ本屋で目にしたときは、え!?、といういきなり感ばかりに包まれてしまったハイスミス作品。別名義の普通小説を別にすれば、2003年、河出文庫から出た『死者と踊るリプリー』が打ち止めだと…