ファーストネームで呼び合う人々

http://www.alexandertechnique.co.jp/index.php

何度か書いてるアレクサンダーテクニークの日本での普及に尽力をされているジェレミー・チャンスという人のグループでのレッスンを受けてみた。

一度、日本人の先生にもグループレッスンを受けてみて、個人で受けているときとはまた違った発見がありそれが面白かったのと、このジェレミー・チャンスという人の「お立ち寄りレッスン」は、予約してなくても受けられるというのでふらりと昨日目白のスタジオに行ってきました。

で、この「お立ち寄りレッスン」というのは、テクニークの教師養成プログラムの単位にもなっているらしく、というか、そちらのほうがメインらしく、6、7人いた生徒さん方は皆、2年とか3年とか続けている人ばかりで、素人は私とあと一人だけ。そのあと一人の方は、確かコペンハーゲンかどっかの大学で日本の歴史だったかな、について研究していて(このへんの情報は聞き耳を立てていただけのものなのでかなり適当)、今、たまたま早稲田に来ていて、他の国でも受けたことのあるアレクサンダーのレッスンを東京でもやってるので来た、ということらしい。

そもそも英語圏で発展してきてるものだし、まだまだ日本で育ってきたのはここ最近のことなので、日本人で教師になろうとしている人たちも、どうやら、基本、英語ができないといけないらしい。いや、通訳をおいていたので、できないといけない、ということではないのだろうけど、そこはそれ、やはりそれなりにできたほうが、外から招いた教師からも数多く学ばねばならない人たちにとっては良いのでしょう。だから、昨日参加されていた皆さんは、話すのはともかく、聞く方はほとんど問題ない方たちのようで、私だけが、ジェレミーのジョークにワンテンポ遅れて笑う、という、なかなかに劣等感をあおり立てられる状況ではありました。

で、まあ、そういう風土的には、アメリカンナイズ、とでもいいますか、そういう感じが漂っている教室なので、紹介は皆、ファーストネーム。これが、なんというか、かなりこそばゆい。

レッスンの仕方・受け方も、ルーズ、ということではないんだけど、かなりフリーな感じで、また、みなさん、はきはきと思ったことを主張していらっしゃる。こう、なんというか実に日本的ではないんですよね。

これは私にとってなかなかに修行ではありましたw。いや、もう、レッスンは予想以上に面白かったんだけど、ただでさえ、そういう場では気後れがするところに、英語と皆さんのはきはき具合で、脇の下、汗たらたら。

そんな中で、なにか普段の体の動きの中でレッスンしたいことはありますか、と新参者なので優先して聞かれたのだけど、うわー、注目されるの、嫌だなあ、とちょっと考えてたら、コペンハーゲンから来てるという女性が、ベリーダンスをやっているのでその動きをちょっと見てほしい、とはじめに手をあげてくれて、ひとまず助かる。

ひとしきり、彼女を中心にしたレッスンが終わって、じゃあ、どうでしょう?なにかありませんか、というので、中国武術の鍛錬法の一つである站椿(たんとう)という中腰で立つやつを見てもらったのですが、ここで、またもや、例のふんぞり返り(http://d.hatena.ne.jp/fkj/20060318)を指摘されてしまった。

いや、かなり普段の生活から、(今、後ろに体重かかってないか、楽に立っていられてるか)、と気にするようにはしていて、そのへんが、きちんと自覚できていると、明らかに精神的にもスペース・余裕が感じられるくらいになってたんだけど、もう、昨日の場は、私にとってはほとんど極限的で、そんなところに放り込まれたもんだから相当程度自分を見失っており、またもや、いつものふんぞり返りを自動的・機械的・無意識的に繰り出して、虚勢を張ろうとしていたんでしょうね。そういう心理的なことは指摘されたわけじゃないんだけど。

これまでだったら、内容の良さはともかく、もう二度とそんな場に行くもんか、とこりごりしてたとこだったんだろうけど、でも、やっぱり、それを補って余りある面白さでした。日本人の先生でもいいけど、やっぱり、三十年以上のキャリアを持つ人の手の感触は、すげいよ。そして、その手の感触は、甲野善紀先生や光岡英稔先生に触れられた時のものと、奇妙に一致してたりするんです。洋の東西問わず、ある種の原理は共通しているということなんでしょう。その言葉遣いも、それぞれに特徴はあるものの、ああ、これはこっちで言うとこういうことか、というのが山ほどあって、震えるほど面白い。

惜しむらくは、英語がもうちょいなんとかなっていたらなあ、もっと、微妙に「謎」な言葉を拾い集められたろうに。

百聞は一見にしかず、百見は一触にしかず、と沖縄空手の宇城先生も言っておられます。今月22日に、またジェレミーのレッスンがありますので、どなたか、いっしょに行きませんか?いっしょに英語がわからない心細さを経験してみましょうw。