お金と怒り

昨年、財布の盗難にあってとんでもない損害を蒙ったのがちょうどこの時期の話。

http://d.hatena.ne.jp/fkj/20041224

(それについての考察)
http://d.hatena.ne.jp/fkj/20041228

今年は、昨年ほどの損害じゃないけれど、入ってきてしかるべき金が半分になるという理不尽に遭遇。

具体的に書くのは面倒なのではしょりますが、いま私のメインとなる収入は、私とあと何人かの友人がそれぞれに持ってる得意先からの仕事を手伝ったり手伝われたりしながら回していて、お金のほうも、立て替えたり立て替えられたりしている訳なんです。で、まあ、現場仕事ですから、その場その場で手渡しして済ませていた。お金の問題って生々しいから、互いに気をつけて、そういうルーズなことしててもこれまでのところ全く問題が起こらなかった。

んが、つい先日、ある仕事の金のやりとりをめぐって、渡した渡していない、という齟齬が発生。

ごちゃごちゃ、その前後の状況を書いてみたけれど、あまりにややこしいのでこれもはしょります。ただ、確かに、勘違いを生んでしまう文脈は、あった。

一日、間を挟んで、互いによく思い出してみよう、と一端は冷ましてはみたものの、もう、私には、相手の彼が完全に勘違いした道理しか見えてこない。

これで、彼と私の記憶力を比較して、私のほうが忘れっぽい質だったりしたら、こうまで意固地になることもなかったんだろうけど、もう、金銭云々というより、「おめーは、昨日やった仕事のことだって忘れてるじゃねーか!」とかそういうプライドのほうの問題が大きくなってきて、ま、確かに、問題があった金銭の受け渡し時に、私も「?」と思わなかったわけじゃあなく、その時、それをちゃんと指摘してれば、こんなことも起こらなかったわけだから、それは悪かった、と、金のほうはあきらめ、記憶のほうをゆずらなかった。

すると、私以上のプライドの持ち主で某六大学法学部を出て司法浪人生をやっている二つ年上の彼は、私のそういうスタンスも気にくわない。

薄々は予想していたのだけど、じゃあ、折半、というところに落ち着いた。大人だねえ。話合いも、お互い、奇妙に冷静で。

間をあけて細々したことを思い出していたときには、折半なんつって半端なこと言い出したら、今、いろいろ思うところがある時期なので、関係切っちゃろ、と思ってたんだけど、彼んとこからの収入が今、一番多いんでその点で踏ん切りがつかなかったのと、なんだか、決着つけたあと、互いの間に、なまぬる〜い連帯感みたいなものが沸き起こって、なまぬる〜く場の修復をするような会話をしたりと、そういう気持ち悪い感じを持ちこたえてみたいかな、という気持ちと、どうもない交ぜになっておったのでありますよ。

昨期年末年始は、財布盗難→実家全焼、という強烈な流れがあったせいか、もう、この「金銭授受問題」の後、ありとあらゆることに不運の兆しを感じてくるようになってしまったんですな。ほいで、昨夜は、ちょっと、もう、かなり危険な感じで、妄想の入った自虐的気分に襲われ、それは、かなり「頭」では、これはおかしい、妄想に憑かれてる、普通じゃない、ということは「わかって」いたけれど、もう、「身体」がどうしようもない。「気分」がどうしようもない。これは、絶対、外側の対象に対して向けるべき怒りが内に向かっちゃってる、と頭では考えるのだけど、ほんとに、もうどうしようもなく動けなくなってくる。

夏の井筒俊彦読書体験(http://d.hatena.ne.jp/fkj/20050802)があったので、私にとってのある種のまじない本を取り出し、祓ってやろうともしたけど、どうにもならない。あんまり危ない感じがしたから、9時くらいには布団に入って、どよ〜ん、としてたら、案外すぐに寝てしまって、ある夢を見て目が覚めた午前2時。

夢の中に件の彼は出てこなかったのだけど、それでもやっぱり仕事関連でたまに会うある職人(基本、嫌いな奴)がそこにはいて、そいつの失礼な言動に対し、「てめー、調子ん乗るんじゃねー!!」と大喝した瞬間、目が覚め、実際口に出してたのもわかった。

で、昨夜のことがあったので、あ?れ?、どうした?、大丈夫か?、と気分をまさぐってみると、これが、なんとも、すっきりさっぱり。やっぱり、どう考えても、昨夜の自虐的気分は妄想でしかなく、今から考えてみると、もやもやした黒い塊、要するに悪霊みたいなものにとり憑かれてたとしか感じられないんですよ、これが。

まあ、これだけ、はっきり気分のコントラストがついたことって無い。

そして、昨夜、頭で考えて、この気分、どうにかしよう、としていたことも、かなり正確に事態をとらえていた(と思う)にも関わらず、なんともできなかったものが、睡眠と夢という、意識的なものからは離れたところから、あっという間に解決が訪れたということには、ちょっと言い知れぬ・・・、なんというか・・・言えません。

ずっと、夢に関して関心を持ち続けてきていたけれど、ちょっと止まらなくなりそう。

そうして、これは、それまで感じてた、ある種の大きな流れに、とうとうと乗っている、乗らされている感があったりする。

とかいう、これもきっと妄想で、そういうポジティブな妄想が亢進しているせいで、ネガのほうも強烈になっているのかもしれない。

とにかく、すさまじい体験でした。

措置入院とかは勘弁してくださいね)