東池袋・Media Massageよろしく

うちの隣には、地番がなぜかまったく同じになってる建物があって、10年以上前に部屋を探しにやってきたとき、指示された地番に、その、6畳を対角線で二つに割ったような三角形の三階建ての建物を見つけて、おお!、こんなへんてこな部屋だったら住んでみたい!、と狂喜したことがあった。結局のところ、隣にあったなんてことのない今のアパートを紹介されてちょっと残念に思ったその後の10年間、その三角形の建物には記憶にあるかぎり、一年だかもっと短かったか、確かクロス屋のテナントが入ったきりほとんどの時期を空き家にしていたはずで、そこが一月ほど前からなにやら工事をはじめ、なにが入ってくるのやら、と思っていたら、中野のタコシェを十倍に薄めて規模も小さくしたようなちょっとサブカル含みの古本屋がこの一日からはじまった。渋谷だの新宿だの、中野、高円寺、吉祥寺、下北沢、みたいな土地と比べてみると、やはりどこかそういった店が浮いてしまいがちな池袋という気もする上に、サンシャイン通りとか文化会館のほうとか、リブロやジュンク堂のある多少文化的な匂いのするところとかからもはずれ、まあ、ギリギリ近いと言えばサンシャインであるとか、ラーメンの超有名店大勝軒があるばかり、実のところ、それらからも大きな通りを一本隔てており、流れる人のおこぼれを拾えるような土地柄じゃないそんな場所に、そんなお店を出してしまうビジネスセンスについて小一時間問い詰めてみたいところもあったけれど、まあ、何かの縁ということで5000円ほど買い物をしてあげた。ちょっと話しかけたてみたけれど、私以上にコンタクトが不得手らしい店長さんは、ええ、ああ、またよろしく、と流されてしまったので詳しいことは聞けずじまい。まあ、何度か顔を出してちょっとつながりを持ってみたい気もするのだが、ふた月、悪ければ一月ももたないと見た。知り合い以外では、俺が最初の客だったんじゃねーかという感、無きにしも非ず。

 こんなこと書いてますが長く続いていくことを願っておりますのでがむばって下さい。